消えないよ
不安は消せないと
そう書いてあった
何かの絵本
心寄せるように
恋に落ちてく
君の目から観える世界が
見てみたいけど
そんな力はない
優しさよりも
ただその強さが
世界を変える力になる
重たい割にその本は
なぜか役には立たなかった
人を標本に
貼り付けるかのような
無機質な医学書を
流し読む
難しい漢字よりももっと
難しいはずの人の心を
まるで図解でも
示せるかのように
人は雄弁に語るけど
その人の
歴史を
その人の
苦悩を
ただの言葉に
置き換えんのは
余りにもずさんなやり方だ
真実しか映らない
鏡でも
僕の心は表せないんだ
誰かに語られる君の心も
決して写ってない
今必要なのは
ただ静かな湖面に
月の浮かぶ
景色に佇む時間と余裕
立ち止まり
ふと世界の綺麗さを
見つめ直せる心
ほら余りに
一纏めにするには
綺麗過ぎる言葉
溢れてくるだろう
ごらん一つの場所に
人の数だけ
色とりどりの景色が
この世界を作ってるんだよ
消せないよ
こんなもの
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